2012年03月23日
職業現場監督ー34
俺の名前は南海丸 嵐、空調関係の建築の現場監督である 現在、横浜の西口でホテルの建築工事をおこなっている。 そこの、機械室には世界で始めての試みであるホテルの不要材からガスと電気を生成する機器「マスチックPUシーラントクリーン」と言う三丸物産、肝いりの機械を設置する事になっている。 しかし、現場作業も大詰めを迎えたころ、大きな問題が発生した、その肝いりの機械の心臓部ともいえるエンジン部分に大きな欠陥が発見されたのだ。 そこで、おれはそのエンジンの変わりになるものをアメリカのロサンゼルスまで調べに行くという、大役をおおせつかってしまったのだ。 チケットを貰って、用意する書類も全て段取りができ明日の朝にはロスに向かって出発するのみである 今日は皆より一足早く現場を出た、明日の用意があるといったが、本当はもう全て用意は終わっている、実は、最近忙しくて連絡を取っていなかったミナに、あすからの海外行を会って報告したかったのだ、おれはミナから貰った携帯の番号に初めてつないだ。 「ルルルルル…・ルルルルル…」つながったが、それは留守電になっていた。 おれは、あすからの事、夜おそくても良いから折り返し電話の欲しい事を録音し電話を切った。 気がつくと俺は「サウスウインド」の前に立っていた 「おうす!」 「いらっしゃい、あら嵐ちゃん、おしさしぶりね!」 今日はまだ時間が早いのか、客は俺一人だ、入って右側にジュークボックス、席は全員で10名ほどのカウンターである、またこのカウンターが黒檀でできた重厚な年代を感じさせ、何故かものすごく落ち着く場所である。 カウンターに着く前にジューク・ボックスに100円を入れ「ドック・オブ・ザ・ベイ」「男が女を愛する時」「夢のカリフォルニア」の3曲をリクエストする、塚武斗所長のいつものリクエスト曲だ 「嵐ちゃんコロナビールでいい」「おねがいします、それとフローズンマルガリータも」 ここのフローズンマルガリータは、先代のお父さんの代からの自慢のカクテルでテキーラの量が何とも微妙にコントロールされている。 「所長まだロスから戻らないの」 「うん、今度はそのままフランスに行ったよ、明日から今度は俺がロスに行く」 俺はママに今までの流れを大雑把に説明した。」 「嵐ちゃん一人で行くんだ、そして初めてのロスなんだ」 「そう、はじめてのお買い物っていう番組あるでしょ、あの子供の心境だよ。」 「OK、嵐ちゃん、ロスの空港に友達を迎えにいかせるわ」 「昔付き合ってた彼しかなんか?」 「違うわ、嵐ちゃんにピッタリのガイドよ、たのしみにしてて」 ママは、ロスでのガイドの名前、住所、携帯番号をメモしてくれた リンダ・マックスウエル、UCLAの学生さんだそうだ、ママの昔の彼ではなく その娘さんなのだ、楽しみである。 その日は、客も少なく、何故か掛かる曲全てが所長の好きな歌ばかりを、聴きながら俺は3杯のフローズン・マルガリータをママの横で飲んだ、明日の出発の安全と仕事の成功を祈って。
Posted by qdpcimnjgi at 14:04│Comments(0)