2012年05月14日
フランスの政権交代について
次期仏大統領、人員削減で大企業にペナルティー科す方針(ロイター) http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120511-00000066-reut-bus_all オランド氏は、利益を上げている企業による安易な首切りを防ぐ方針のようである。 サルコジ大統領の下で、フランスは新自由主義的な政策を推し進めてきたが、格差は拡大し、民衆の不満は高まり、政権交代につながった。 社会を長く保つためには、バランスというものが重要である。経営者・労働者・消費者の三者がうまくバランスを取るようにしなければならぬ。この中の一者だけ良ければいい、というのでは残り二者の不満が高まり、行き詰まり崩壊する。 資本家が儲かれば良いという世の中では、労働者は悲惨な状況に陥る。社会の大多数を構成する労働者の生活が不安定になれば、社会も不安定になる。格差は拡大し、「良い社会」とは呼べないだろう。「良い社会」にとって、「大多数の満足」は重要である。 イギリスの労働党やフランスの社会党が健在なのは、「人を大事にする社会を目指している」というイメージがあるからであろう。 逆に、労働者だけ良ければいい、というのも間違っている。社会主義国家の崩壊は、労働者のみを大事にしたからである。経営感覚が欠如し、消費者のニーズに応えることができなくなれば、経済が機能不全に陥る。 これまでも欧米諸国は政権が代わることにより、社会のバランスを保ってきたのではないか。対立と交代によって、行き過ぎを是正してきたように見える。 戦後の日本では長らく政権交代がなかった。それでもうまくいっていたのは、政治や経済の世界に「協調」があったからではないか。「協調」によってバランスをとっていたのではないか。 企業では、労使協調によって長期雇用慣行が定着し、労働者はある程度安心して生活することができた。政治も、55年体制の下で野党は政権交代を目指さず一定の議席を守ることで安住していた。 「協調」の時代に戻ることはできないが、かといって、どの方向を目指してよいか分からず右往左往しているのが、日本の現状かもしれない。 自民党の時代にはできなかった政策の実現、または自民党政権時代に生じた社会の歪みを是正していくのが、民主党政権の歴史的使命であろう。そして、民主党政権が倒れた後は、次の政権が新たな政策を実現していくべきである。 そうしたダイナミズムに、今の日本の政治は欠けている。やはり、民主党が参議院選挙で敗北し、「ねじれ国会」になってしまったことが大きい。衆参でねじれてしまうと、にっちもさっちも行かなくなる。 「参議院を制する者が政界を制する」と看破したのは佐藤栄作であったと思うが、遥か昔に見抜いていたのだから流石である。民主党は、参議院選挙の重要性が分かっていなかった感がある。いや、分かっていてもあそこまで敗北するとは思っていなかったかもしれない。 沖縄返還を成功させた交渉術も含めて、佐藤栄作には学ぶべきことが多い。外務省も消極的だった沖縄返還を政治主導によって成功させた手腕は、もっと評価されていい。役人が不可能だと思うことを可能にする術を、佐藤栄作は知っていた。 鳩山由紀夫に佐藤栄作の能力があれば、そうでなくても鳩山由紀夫が役人出身であれば、政権交代後の展開ももう少し違ったものになったであろう。 口先や机上の理想論だけでは現実の政治は動かない。 大言壮語ばかりで実を伴わない政治家が増えてきているような気がする。重厚さや誠実さがあまり感じられない人間が多いのは、世相を反映しているからだろうか。 軽薄そうな人間が多い中で、野田首相は、まだましなほうかもしれぬ。しかし、何も消費税に政治生命を賭けなくても、と思う。あの人は真面目だから、財務官僚に洗脳されてしまったのかもしれぬ。 次の総選挙では民主党は大敗するだろう。「ねじれ国会」下であってもできることはあるのだから、今のうちに、悔いの残らぬようしっかり頑張ってもらいたい。 先日、村山元首相が「原発容認は誤りであった」と述べたという。今頃言っても、遅い。 政権に就いた途端、弊履の如く従来の政策を棄てるような政党は、または政治家は、存在している意味がない。
フランスの政権交代について .
フランスの政権交代について .
Posted by qdpcimnjgi at 05:16│Comments(0)